甘すぎたマリトッツォ
空想アトリエ no.82
職場の映画館へ、映画を観に行った。なんとなく映画館で映画を観たい気分だった。
映画を観る前、少し時間があったのでカフェに寄って一時間ほど時間を潰した。アイスコーヒーとショーケースに綺麗に並ぶマリトッツォというお菓子が美味しそうに見えて注文した。
昨日atmで通帳の確認をした。思っていたよりも少しだけ多くお給料が入っていて、財布のひもが緩んだ。お金があるのは心の安定だ。
ひとり分の小さな席でぼんやりした。少し前に届いた手紙の返事に便箋と封筒を用意していた。思うようにすらすらと書けた。マリトッツォは甘すぎて半分くらい残して捨ててしまった。
観た映画は、フランスの美しい風景や軽やかな愉快な音楽が流れていたものの、女性の愛ゆえの痛みに怖くて怯えてしまった。
その後、映画館で晴らせなかったもやもやをお店をぶらつくことで分散させた。
お腹が空いていたので行きつけの喫茶店へ行く前に真向かいのサイゼリアで腹ごしらえしてから行こうとした。喫茶店でご飯は高いから、。結局300円のドリアだけのつもりが、エスカルゴのアヒージョも頼んだ。400円。ワインも頼みそうになったが辞めた。ちゃんと書き物をしたい気分だった。手持ちのノートをちぎって友人に手紙を書いた。内容はぐちゃぐちゃなへんてこな手紙になってしまった。手紙が送れる場所があるのは有りがたいことで、居場所があるみたい。書き終えたあとには気持ちは少し楽になっていた。
1日雨は止まないまま、赤い花柄の傘を行く先々で忘れてしまわないように手元に注意を払った、わたしの休日。